副業人材を採用するために、報酬額をどうを設定すればいいか悩んではいませんか?
人件費は費用の中でも大部分を占める重要なものです。「なんとなくこれくらいが適切だろう」と思っていても、決めかねているという方もいるでしょう。
この記事では、そもそもどのような報酬体系があるのか、どのように報酬額を決めればいいのかを解説します。また、併せて職種別の時給相場も紹介します。
これから副業の求人を出すための準備をしている方は、ぜひ参考にしてください。
副業人材への報酬の支払い方には主に3種類の方法があります。
成果報酬制、月給制、時給制です。
この章では、それぞれの特徴と、適している職種・業務について解説していきます。
成果報酬制では業務の成果に対して支払います。
そのため、アウトプットにどれだけ時間がかかったとしても、支払う報酬額は常に一定です。
成果物、納品内容が明確に決まっている業務との相性が合います。
例えば、アプリやソフトウェアなどの開発系業務や、バナーやサイトのデザイン制作には成果報酬制が適用されることが多い傾向にあります。
月給制は、月単位で一定の額を支払う方法です。
正社員に対して支給する報酬と同じ考え方なので、価格の設定がしやすいでしょう。
法務・経理・PR・労務・総務・インフラ管理・カスタマーサポートなどのバックオフィス系の業務の報酬の支払いに合う方法だと言われています。
バックオフィス系の業務は明確に成果物・納品物がある仕事ではありません。存在していること自体に価値があるポジションのため、月給にしているという企業もあります。
繁閑で業務量に差がある場合は、別途支払をするなど、柔軟に調整することをおすすめします。
時給制では稼働した時間に応じて報酬を支払います。
この考え方では、副業人材が実際に働いた時間の分だけ報酬額が発生することになります。副業の報酬としては一般的な報酬体系です。
副業人材に自己申告してもらう時間に基づいて毎月の支払合計額を算出するため、性善説に基づいた申告となっているのが実態でしょう。
基本的にはどのような業務でも時給制を採用することは可能です。
ただし、単純作業などのタスク型業務の場合は、時給制だと採算が取れないこともある点は注意が必要です。
時給制が一般的な報酬形態ですが、時給額の相場や基準がわからないと決定できません。
次の章では、統計による時給額の相場を紹介します。
パーソル総合研究所は個人の副業実態に関する調査結果の中で、副業の平均時給は1,652円、月収は平均68,200円だと発表しました。
調査はインターネット上で20〜50代の正社員を対象に2018年10月に行われました。
調査を通して得られた13,958人分の回答では、副業での月収は「5〜9万円台」が24%で最多の回答でした。
1週間あたりの副業の平均稼働時間は10.32時間であるとの結果を考慮しても、おおよそ時給1,200〜2,180円がボリュームゾーンだと言えるでしょう。
ここからは、副業人材の時給の決め方と職種別の時給相場を紹介します。
一般的には、副業人材の時給は本業と同等の時給に設定するのが無難だと言われています。
副業が推進されない理由のひとつに、副業をすることで本業がおろそかになるという懸念があるためです。副業に力を入れすぎないようにしてもらうためにも、副業が高収入になるというバランスは推奨されていません。
特別な理由がない限りは、副業人材の本業の年収をもとに時給を設定することをおすすめします。
例えば年収が500万円であれば、2,500円程度となります。
下記のような計算式で時給を算出できます。
5,000,000(円) / 12(ヶ月) / 21(営業日) / 8(時間) = 約2480円
基本的に時給は本業の年収をベースに決めるのがよいですが、副業人材の事情をくみ取ることを忘れないようにしましょう。
本業の年収に満足していない人や、副業では新しいことにチャレンジしたいから少なくてもよいという人もいます。
また、職種別の相場を考慮することも重要です。採用する人材に合わせて適宜調節をしてみてください。
それでは、次は職種別の時給相場を見ていきましょう。
一般的には、エンジニアの時給が高い傾向にあります。
昨今ではIT人材が不足している状況が続いており、エンジニアは常に売り手市場です。そのため本業においても年収や時給が高く、それに伴って副業での報酬も他の職種に比べて高く設定されるケースが多々あります。
エンジニアの時給相場は2,000〜5,000円です。
エンジニアとしての経験が浅い場合は1,300円前後が相場だと言われていますが、3~5年程度の経験があれば3,500円以上に設定されることもあります。
エンジニアの平均年収が497万円であることからも、2,000円以上に設定しておくのが一般的だと言えるでしょう。
デザイナーの時給は1,500~3,000円が相場です。
デザイナーへの報酬は成果報酬で設定されることが多いですが、時給で設定する場合は、バナーやロゴの制作、コーディングなどの業務にかかる成果報酬を稼働時間で割って算出した金額を設定するのが無難でしょう。
ちなみにWebデザイナーの平均年収は453万円なので、時給に換算すると約2,250円となります。
マーケターの平均年収は499万円であることから、マーケターの時給相場は2,000~3,000円だと算出できます。
ただし、Web広告運用の代行費用は広告費の20%とするのが一般的なので、広告予算をベースに、稼働時間などを考慮して時給を設定するのが良いでしょう。
セールス職の平均年収が480~560万円と言われていることから、時給相場は2,300~2,800円だと算出できます。
セールス職は業界によって年収額にばらつきがあるため、業界や業務内容に照らし合わせて時給を決めるようにしましょう。
バックオフィス系のポジションは1,800~2,700円程度が時給の相場です。
バックオフィス系と一つにまとめていますが、総務の平均年収が366万円、経理の平均年収が396万円、法務の平均年収が550万円です。
それぞれのポジションの具体的な業務内容や求めるレベルに応じて設定してみてください。
いかがでしたか。
この記事では、報酬体系の紹介から、報酬額の決め方や時給相場の解説をしました。
これから副業人材採用のための予算を決めるという人は、この記事を参考にしながら見積もりをしてみましょう。
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